イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

「暴食の巨人」

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■暴食の巨人

 こんにちは。今日の一枚も構想が全くわかなかった時に無理やり捻り出したもの。ちょうど「進撃の巨人」の事を思い出したため、そこからある程度コンセプトを頂いてきました。

 しかし、これも酷い出来ですね。貰ってきたコンセプトを全く掘り下げられておらず、結果ガワだけをなぞったような曖昧な世界観になってしまっています。例えば街のカラー一つとっても、どの文化圏に属しどういった文明を持ち、それがキャラクターにどういった影響を与えているのかといった掘り下げが非常に浅い。ゆえにキャラのデザインと街の雰囲気がちぐはぐになっており、さらには巨人が暴れた跡も描写されていないため漫然と置いたことが見え見えの出来になっている。

 この所とにかくモチベーションが低かったため、構想を醸造する体力もなくしていたのですが、そろそろエンジンをかけ直すべきですね。

 

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■落書き

 

 さて、休養後ある程度調子を持ち直したという事で、やはり自分は稀有な才能を持ち得ているんだろうなという気がしてきました。

 

 思えば小、中、高と、学校の勉強や特殊科目で私に敵う人間はいなかった。

 今まで、そうした過去の栄光を引きずっているだけで、社会に出てしまえばただ大衆に没していくだけの、思いあがったガキだったのだという理屈で自分を納得させてきました。しかし、最近仕事をしたり友人たちと語らったりする中で、結局自分は天才であるという認識が再び色濃くなってきている。

 

 私は、退屈しているのだと思います。学生時代に自分に並ぶものが居なかったことで、私には対等に競える人間が全くいませんでした。

 宿題以外の勉強を自宅でしたことが全くなかったのに、試験では学習塾に足蹴く通っているような生徒と並んで常にトップを取れてしまっていた。美術や技術、音楽といった科目でも淡々といい結果を出せてしまう。体育は唯一苦手であったものの、中学時代ちょっとだけやった陸上では結局いい記録を出していました。

 それから病気をしてしばらくロストしていたのですが、その間にもインターネットに触れ始め、そこでプログラミングを独学で覚えたり、小説を書くようになったり、絵にのめりこんだり。最近始めた仕事でも他人の何倍ものペースで作業を捌けてしまう。

 

 私が全力で腕をぶん回してしまえば、もっと多くの人をなぎ倒して、踏みにじる事になるのだと思っているのでしょう。学生時代、私にライバル意識をもって挑んでくる人間が複数いたのですが、彼らが私に勝てたことなどなかった。私に負けるたびに彼らは、本当に悔しそうにするし、それでも挫けることなく何度も挑んでくる。

 かっこいいな、と思ったんです。そして、楽しそうだな、と。対して私はどうでしょうか。努力することも知らず、勝っても勝っても達成感も何もなく、ただただ惰性で生き続けて。

 

 だから、絵を始めた当時本当に楽しかった。全力で描いても描いても、ひたすらに自分より上がいる。初めて努力というものを能動的にしたように思います。そうして本気で努力しているのに、どこまでも凡人にすぎない自分を、ようやく少し好きになれた。「挑戦者」として何度も負けを味わうことで、生きている実感がひたひたと湧いてくる。

 

 しかし、描き始めて十年ほどたったころ、また自分は人から嫉妬と尊敬を集めるだけの存在になっていました。

 絶望した。私は結局才能しかないクズなのだと理解した。このまま生きていれば、私は自分の才能で他人のみならず自分をも削り続けていくのだ。

 だから、いつしかセーブした努力しかできなくなっていました。もう勝ちたくなかったのだと思います。これ以上誰かを踏みつぶして自分だけが上に行くことに、一切の価値も見出せない。

 

 もっと他人を幸福にする生き方がしたかった。だからこの数年、そのための手段を模索してきたんでしょう。他人をサポートし、フォローし、育てる能力を重点的に伸ばした。そして今、その能力も一定のところに達した。

 

 多分私は、こう生きる定めみたいなものを背負っているんでしょう。仕方がないのだ、他人より多くの物を持ち得てしまったから、それで他人を蹂躙することが結局自分の義務なのだ。

 この生き方に異を唱えたいのであれば、もう死ぬしかない。そう思って何度も死のうと思ったのに、未だに死にきれず生き続けている。

 もう、諦めるしかない。諦めて他人を踏みにじることを選ぶしかない。ただ自分の好きなように生きているだけで、自分はそうせざるを得ない。覚悟を決めるしかないのだ。

 

 大体そんなことをぼんやり考えました。

 どうしようもないのでしょう、解ってきた。どんなに他人を大事にしようとしても、私は自分の本能で彼らを踏み台にすることを選んでしまう。自分が上に行くために、他人を喰らう事をどうしようもなく続けてしまう生き物なんでしょう。

 受け入れて、そろそろ本気でやらなければ、自分が生まれた意味がなくなってしまう。

 

 ではまた次回。