イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

「工場跡」

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■工場跡

 こんばんは。今日の一枚はタイトル通り廃工場をモチーフとしたもの。資材の捨て置かれた工場跡、くらいのコンセプトから膨らませました。

 景観の描写自体はそこそこなのではと思います。今回は光源を窓からの日光のみに絞り、その光の当たっている部分以外はかなり暗く落としていますが、おかげで不穏なムードがよく出ていると思います。問題はキャラクターで、ポージングや表情、キャラデザなどの要素が場から顕著に浮いているほか、特にキャラだけ彩度がやけに高くなり、唐突に画面に現れたような不自然さを伴って見えます。柱の影に立っているというのに落ち影が描写できていない点もマズかったのでしょう。

 

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■落書き

 

 さて、昨日あたり、作業ノルマを終えてぼんやりツイッターを見ておりましたら、こんな漫画がトレンド入りしていました。

 

www.pixiv.net

 

 売れっ子漫画家と鬱病漫画家のボーイズラブを題材とした漫画だそうです。ただ、現在(最新十話)まで読んだところ、特に恋愛に結びつきそうな描写はなく、ただただこの二人の主人公のヒリつくようなやり取りが繰り返されています。

 方や、才能を持ちながらもほとんど評価されることなく、鬱病になって才能の芽を摘み取られようとしている漫画家。方や、その漫画家の事を支援すると言いつつ、何か裏に目的と深い闇を感じさせる、売れっ子漫画家。

 

 才能VS才能、という構図がとられていながら、それを単なる王道バトル物にするのではなく、ひたすら人間味のあるキャラクター達が織り成す群像劇という形に仕上げている。そして、そのキャラクター達の人間性の掘り下げが非常に深く、もはや執念や怨念というレベルに至った熱量を感じさせる。

 まず作者様が非常に頭の切れる人であることが読んでいて分かります。

 

 この作家はもっと大きな舞台で輝くべき人だと感じるものの、ご本人は仕事の息抜きに描いていきたいとプロフィールで仰っていて、そういう生き方もあるんだろうなと思う次第。

 特に闇の深い人間が好きな方なら刺さる内容であると思います。ぜひどうぞ。

 

 ではまた次回。