イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

「鉄鋼天使」

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■鉄鋼天使

 こんばんは。今日の一枚はまた若干久しぶりにキャラを見せる構成に振ったもの。鋼鉄の翼をもつ天使、くらいの構想から詰めました。

 背景もある程度世界観を示唆する程度には入れておこうと、鉄筋の建造物を描き入れたのですが、これに関しては大部分がキャラに隠れてしまい意義としては薄かったなと思いますね。よく言われることですが、キャラに背景という形で景観を差し入れるイラストと、背景主体の「風景画」とは、そもそもイラスト製作の際の考え方や意図そのものが違ってくるものだと思います。キャラを見せるならばキャラが映えるように、背景を見せるならばキャラはある程度埋没させる。そこの割り切りをしっかりやっていく方がいい絵になるのでしょう。

 今回はキャラの描写としては比較的良いモノになったかなと思います。特に鋼鉄の翼部分の立体感(ライティング)は割と気持ちよく決まったかなと。あとは人物や翼相互の関係性を整理するために、先日アドバイス頂いた「落ち影」を入れると多少分かり良くなったかなという所です。

 

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■落書き

 

 さて、今日はいつも通り休養明けの徹夜です。

 昨日の時点でぶっちゃけ大分精神をやられており、「もうこのまま絵をしばらく休むかやめてしまうか」などといった考えが頭をよぎったりもしたんですが、そのようなとき、ツイッターで評判を呼んでいるこの漫画を読みました。

 

 

 

 ジャンプで「チェンソーマン」を連載していた藤本タツキ様の読み切りらしく、今回はこの作家様には珍しい青春ものとなっています。幼いころから物作りをしてきた人であればまず間違いなく刺さるであろう内容。

 割とまとまった量の読み切りなのですが、セリフ量も多くはなく十数分あれば読めるので、未読の方はぜひ。

 

 で、まあこれを読んで、私はまた描くの描かないのという話で大げさに騒いでしまっていたなと思うわけです。以前も描きましたが、私が絵を続けてきたのはもうどうしようもなく絵に魅入られてしまっているからであり、そこに大きな目的も理由もない。

 言ってしまえば描く行為そのものが目的となり果てていて、単純に描くことが楽しいし逆に描いていないとうずうずする。それだけのものなんですよね。

 

 なら、自分の欲望の赴くままに、気の向くままに筆を執ればいい。私が絵を続けてどうなるかなどという未来は、描くという行為そのものにおいて全く無意味なのではないか? 

 目の前の画面には今と過去しかない。実際に筆を執っている今と、何百枚何千枚と描き連ねてきた過去だ。だったら、その二つから目を逸らしてはいけない。ただひたすら打ち込むうちに今描いているこれも過去になり、自分の血肉となり骨となり神経となっていく。

 結局は、その積み重ねでしか絵描きは大きくなれない。

 

 そんなことを思い、まあまた救われたのでした。

 いちいち答えを見つけてそれを仮の支えに先に進む、という事を、これからも続けていくしかないんですよね。それが絵のみならず、表現を糧に生きるという事なのでしょう。

 

 また地道に描いていこうと思います。

 

 ではまた次回。