イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

「夜明け」

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■夜明け

 こんばんは。今日の一枚は構想のわかない時に無理やりひねり出したもの。タイトル通り「夜明け」というシチュエーションでエモさを狙ってみたものになります。これははっきりと出来が落ちたなと。

 まず建造物含むシルエットが大分マズいものになっており、特にビル群の重なりが漫然と組み合わせた形になってしまっています。その後挽回しようと細かい調整を重ねたためにより悪くなる結果。やはり描き出す前にある程度構想を具体化したほうがいいですね。

 今回も全体の彩度を下げて、差し色的に朝日の色を強く扱う形で挑みましたが、それはおおむね意図通り決まったかなと思います。シルエットの連なりさえ気持ちよく決まっていればいい出来になったでしょうね。

 

 

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■落書き

 

 さて、今日は漫画を読み返し始めたところ眠れなくなりこんな時間(深夜一時)まで作業しております。

 読み返していた漫画とは「アクタージュ」なのですが、あんなことになって連載が途中で終了してしまったものの、やはり「本物」だなと。

 

 一話からもう市井の漫画にありがちな漫画理論を用いて描いたものではなく、とにかく原作様の「これが描きたいんだ」という思いに裏打ちされた、確かな才能をもとに描かれたものであることが伺えます。

 物語はいきなり役者のオーディションから始まり、その中で主人公が特異な演技の才能を見せつけるところから入るのですが、その流れが支離滅裂で、とても漫画を何度も描いてきたようなベテランの仕事ではない。そもそもがこの作品は作画と原作が分かれており、序盤は原作の勢いに作画がついていけていないような場面が散見されます。

 しかし、二巻の中盤に差し掛かるにつれ作画と原作の息が合い始め、さらに物語も急展開を見せ、徐々に漫画の画面と原作の意図が「競合していく」。

 

 結果としてこの両者が高めあう形で、非常に素晴らしい作品へと昇華されていく。

 連載を続ける中で二人の才能が出会い、化学反応を起こしていつしか相棒といって差し支えない一体感を得ていくのです。

 

 それだけに原作が事件を起こして連載が中途でとん挫したことは残念というほかないですが、特に何事もないまま連載が続き、いつか完結していれば、この漫画は確実に傑作として世に名を連ねたでしょう。

 こうした「本物の才能」を持った創作家は稀に存在し、そしてそうした者達が作り出した作品を見るたびに私は、とても胸が透いていく思いがするのです。「ああ、強さとは気持ちいいな」と。

 

 それだけに自分が、そうした才能を持った人間たちに並び立つ人間でなかったことは無念ですが、しかしこの歳まで自分の才能を疑わずに邁進してこれたのは確実に彼らの残した作品たちがあったからである。私もこんなものが作りたい、という思い、その一念でここまでやってきた。

 誰かを感動させる作品を遺したい。きっと遺せるはずだと。

 この数週間自分の立ち位置を冷静に思い知らせられてきましたが、それでもやはり、私は一作家でありたいと思うんですよね。せめて、自分に感動をもたらしてくれた彼らと同じ土俵に立っていたい。

 

 そんなことを延々煎じ詰めて眠れなくなっているわけですが、まあしかしこうしておっさんとなってまで目先の事でワクワクしていられるのは幸運だなと。

 ずっと、ずっと、大人でも子どもでもない、「クリエイター」という生き物として生きて、そして死んでいきたい。

 

 ではまた次回。