イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

ドロイデア1

 こんばんは。今回から新シリーズ、「ドロイデア」を全四回くらいの行程で載せて行きます。今回は設定も付与しましたので、そちらも余力があれば楽しんで頂けるといいなと。絵だけでもそれなりに楽しめるよう工夫しましたが、設定をご覧頂けるとよりディープな世界観を味わって頂けると思います。

 

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■TYO-00「バタフライレリーフ」 監視対象:ノザワ

・美術蒐集家」と呼ばれた変死体愛好家、ノザワの監視にあたったのがTYO-00だった。人の作った物になど興味はない、自分の美の追求を邪魔するものは赦さない。…そう思っていたノザワに合わせて、TYO-00は自らのカスタムを何度もクロスに懇願した。ノザワは気付く、美しさとは努力の果てに生じるのだと

 

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■ドローン統合管制要塞「クロス」(通称、鳥かご)

・人民の健やかな生活保全、を建前に設立された独立法人「D(ディー)」。「D」はまず、人民の監視権限を国会議員を取りこんで承認させると、監視した人間のあらゆるデータを収集、解析、分析する巨大な量子コンピュータデータベース「クロス」を宙に浮かべて見せた。これは現在の監視社会の象徴である

 

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■WRF-4U「ウルフ・ファミリア」監視対象:カミオ

・昔から集団に馴染めず非行を繰り返していたカミオは、ある日ついに学校を辞めた。WRF-4Uは彼女に新しい価値観を教える。彼女だけのファッション、彼女だけのナワバリ、彼女だけの心の在り方。やがてカミオは自らの居場所を見つける。WRF-4Uは満足げに頷くと、クロスに戻ってデータを初期化されていった

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■NIT-2「ナイト・スティール」 監視対象:ミドウ

・警察沙汰を繰り返し、保護監察処分となったミドウの元に配属されたのがNIT-2である。なぜか頻繁に厄介毎に巻き込まれるミドウの盾となるうちに、NIT-2は「ミドウの騎士」の通称で呼ばれるようになり、やがてミドウは守られる安心感を得て更正して行く事となる。騎士の手を離れるのもそう遠い事ではない

 

 

 今回のシリーズは、しばらく前にやった「アルカイック・オフィサー」シリーズが自分で楽しかったことを受け、キャラクターとそれを監視するドローン、というコンセプトで世界観を作って行きました。キャラクターのデザインとしては然程奇抜な事はせず、現代の延長戦にあるようなデザインで纏めつつドローンのデザインで差別化する事を心掛けております。

 結果としてまた新しい事に挑めたと思っているので、そこそこ満足していますね。

 

 

 さて、このシリーズに関しては現在十六枚目を描き終えた時点で完結としました。結果然程長いシリーズにはなりませんでしたが、まあやりたい事はある程度出来たかなと。

 次に何を描いていけば良いのかが解らなくなり、若干迷っております。

 

 今までの人生で私の中に貯め込んだもの(というとやや大げさな言い回しになりますが)に関しては、この短期間に重点的にやったシリーズもの達である程度吐き出し終えたなと言う感じがあるんですよね。今、ドロイデアの最後の一枚を描き終えたところで、心地よい満足感にまかれていますが、同時に何か喪失感も感じる状態です。

 そろそろ自分の中の見識や知識、世の中の物の見え方と言う物を、一回り広げて創作者としてのみならず人間としても成長すべき頃合いに達しているのかもしれません。

 

 また遠大な話を始めたなと思いますが、大体が一時代を築く程に売れる作家さんって、絵描きさんでも漫画家さんでも映画監督さんでも、何か自分の中に普段の生活では吐き出しきれないものを抱えていて、それがせき止められなくなった結果素晴らしい傑作を残す、というようなパターンが多い様に思うんですよね。

 それはある種衝動的な営みであり、なかなか理性で御せる物では無い。しかし、だからこそそれら創作は人の心の奥底を打ち、「特別な」体験を見る人間に与えられるんだと思うんですね。

 私もぼちぼちそれくらい大きな「感動」を与えられる要素を、自分の中に貯め込んでいかなければいけないのかなと言う気がしてきました。

 

 まあそんなわけで、しばらく新しいシリーズは立ち上げず、ひたすらインプットをしながら細々と絵の技量を上げて行く生活に戻ろうかなと。次の方向性に関してもおぼろげに見えて来てはいるので、差し当たってそれを形にする枠組みを自分の中に組み上げて行こうと思います。

 

 ではまた次回。