イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

「薄暮」

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薄暮

 こんにちは。今日の一枚は先日もつらつらと書いたように、キャラ主体で画面を組み立てつつ補助的に背景を用いたものになります。背景についてはキャラクターの置かれたシチュエーションを触り程度に説明するくらいのものとし、概ねキャラのアングルとポージングで見せるものを意図しました。

 かなり良い出来になったのではないかと思います。背景の筆力としてはぶっちゃけかなり弱いのですが、「背景は補助」という事を念頭に作ったためにわき役に徹するということをしっかり意識出来ており、今までの中途半端な背景に比べれば大分潔くまとまったように思います。

 入り抜きを意識したために情報量の分布としても適当であり、やはりある程度「割り切って」絵を作ることで良いモノが出来る事が言えますね。今までの「挑戦する」という姿勢にも価値はあったと思っていますが、絵の完成度を上げることを第一に据えるなら、自分は背景を描きたくないのだという本心を理解すべきだったのでしょう。そうすることで迷いのない描写になる事が言えます。

 

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■落書き

 

 さて、本日も徹夜で作業しております。

 先日友人と会った際に「木曜日にはココアを」という短編集(小説)を借りて、今まで読んでいたのですが、非常に温かいショートショートを連ねたもので、久々に小説を読んで豊かな気持ちに浸っています。

 

 小説でも漫画でもアニメでもそうなんですが、「何でもない日常」を丁寧に描く、という事が、実は一番難しい。日常は非日常と違って事件に至らないので、絵面も地味であり淡々と会話を紡ぐようなシーンになりがちです。そこにドラマを組み込む、という事には一定のスキルが求められる。

 今作の作家さんは、その点かなり秀でていらっしゃる印象で、複数の舞台装置と小道具を絡めた日常を、それはそれは淡々と、しかし情感たっぷりに積んでいくタイプのお話を描かれます。戦士が竜退治をしたり、能力者同士のバトルが繰り広げられたりと言ったことは全くないけれど、確かにそこに息づく者たちの人生と酸い甘いがある。

 

 友人曰く、「俺と路線似てると思う。あと二年後くらいにこれくらい書けるようになってたい」とのことで、奴にとって明確な「目標」足り得る作家さんであるようです。そうした先立ちを見つけられることは幸運ですね。

 

 自分でも「もっと長い文章書けるようになりたいな」と珍しく前向きな事を口にしていたので、私もほっとしています。まあ、あんまり刺激しないように気を付けつつ、それとなく先に誘導していきたいですね。

 

 ではまた次回。