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山田唄のイラストブログ

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

コントラストの収差

 こんばんは。今日も夜更かしして作業です。作業のお供に珈琲を買ってきたのですが、私は市販のカフェイン濃度の珈琲を飲みますと酒よりも酔っぱらいます。この状態、なかなかハイテンションになる上に高確率で後々体調を崩すので、滅多に飲みません。今日はどうなることやら…。

 今回は、絵の持論シリーズ、コントラストのお話。

 

 コントラストとは、訳すと「対照」というような意味になります。絵に於いては主に、強弱の対照、格差などを意味します。

 なかなかイメージし辛いですね。実際の例を挙げてご説明して参ります。

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 このイラストは、去年描いたいつも通りの私の習作になるのですが、この画面内で一番暗いのは人物の胴体に絡まっている黒いパーツの色です。反対に、一番明るいのは所々に入れられているハイライト(もっとも明るい部分に差す色)の白ですね。この黒と白の明度差が高いことを「コントラストが強い」などと表現します。

 もちろん対極にある色のみではなく、例えば女性の携えている剣の影の部分とハイライト部分もかなりコントラストが高いと言えます。絵におけるコントラストとは、多くの場合この「明度差」を意味します。

 

 なぜこの概念が重要なのか。それは、明度をコントロールすることで画面内の色や形の見え方が大きく変わってくるからです。

 例えば次の画像。

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 数年前の私のイラストなのですが、特に問題なく観て頂けると思います。しかし、先ほどの画像とよく見比べてみた時、黒に近いほど暗い部分が極端に少ないことにお気づき頂けるかと思います。先ほどの言葉で言えば「コントラストが低い」絵と言うことになります。

 しかし、この絵だけ観る上では普通に見えている。ここにコントラストの持つ威力があります。

 結論から言えば、人間の眼は、今見えている「一番暗い部分」と「一番明るい部分」を基準に明度差を見分けています。つまり、一から十までの明暗が使われている絵での「八の明るさ」と、一から五までしか明暗が使われていない絵での「四の明るさ」は、体感的には全く同じものになるのです。

 このことは、上の絵とは逆に暗い色しか使われていない下のような画像を見ることでも明らかです。

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 この画像ではハイライトの白は極力抑えて表現されていますが、どの明度の段階もはっきり見分けられますね。この現象は、ある意味その絵の持つ明度に人間の眼が一瞬で「慣れて」暗い絵なら暗い色、明るい色なら明るい色の細やかな色の差を見分けやすくなっているともいえると思います。

 今回挙げた三つの画像のうち、二つ目の明るい色のみを使った絵を「ハイ・キー」。三つ目の暗い色のみを使った絵を「ロー・キー」。中間の明度中心にまとめられた一枚目の絵を「ミドル・キー」を使った絵、と言うようにいう事があります。この場合のキーとは明暗の調子のことです。

 

 基本的に、コントラストは高めれば高めるほどその明度差のある対象を際立たせる効果があります。上の三枚目の絵でも、もっともコントラストが高いのは中心近く、モンスターの顔や人物の顔などになっています。これは、コントラストを利用して視線を絵の中心に誘導するテクニックであるわけです。ここら辺、思い出して頂けたかもしれないのですが、以前の情報量の差で視線を誘導するテクニックととてもよく似ています。

 情報量の差も、ある意味ではコントラストです。「情報量のコントラスト」という事ができるかもしれませんね。このように、コントラストには複数の種類(明度差、情報量差、色調差、線量差、等)があると言えます。

 一般的に、最も見栄えが良いのはミドル・キーを用いて幅広い明度差を取り入れたイラストです。遠くから見た時も明る過ぎたり暗すぎたりせずに映えやすく、目にも負担が少ない。また、先ほども申しましたように、コントラストは高ければ高いほど目を引き付けるので、余計に明度に幅を持たせることは大切と言えます。

 

 私も、最初はハイ・キーやロー・キーばかり意識せず使ってしまっていたのですが、ミドル・キーを積極的に取り入れる形に変えて行きました。もちろん場合によって適したキーがございます。そこは更に研究を深めてみてください。

 

 今回もやたら抽象的なお話でした。実は私は、今までまともに美術の教育というものを受けた経験がほとんどありません。半年ほどデッサン教室に通っていたものの、そこで習ったのは主に鉛筆の使い方のみでした。あとの知識は、自分や友人達が、ネットや書籍で必死にかき集めたものになります。

 今の時代、それだけの知識でも十分な厚みと情報量を得ることが出来ますので、絵を学ぶ人間にとってはそれだけ敷居が低くなっていると言えるでしょう。私も、これから絵を勉強したいという方の一助にでも成れることを願っております。

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