イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

企画コンセプト21

 こんにちは。また数日休んでの企画コンセプト21回目です。

 

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・HartsMaterial キャラ草案16 「新世代」の貧民の少年。両親を汚染が原因の病で亡くしており、現状の政策を強いた皇帝以下世界府を酷く憎んでいる。フリーダムハーツに加入しようと志願したが、子どもの復讐心に付き合う気はないと一蹴され、現在は独りで反政府活動を続けている。

 

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・HartsMaterial 企画コンセプト15 南部放棄地帯。温暖化と化学汚染により大部分が砂岩砂漠と化した南部には特に放棄地帯が多い。本来人が暮らせる環境ではないが、やむを得ず住み着く貧民もおり、彼らは主にほかの貧民との交易で物資を調達している。故に、貧民間には独自の生業が根付きつつある。

 

 

 キャラ絵に関してもコンセプトアートに関しても、ある程度クオリティが一貫してきたかなと思います。ここからより上を目指したいわけですが、現状やる気がなかなか出ない状態が変わらず、一枚に二時間以上向き合えずにいます。

 どこかのタイミングで具体的に意識改革を図って行きたい所。

 

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・イメージスケッチ3 「取引前回遊」

 

 以前に比べると、特に背景に関して使える札がはっきり増えてきた気が致します。技術的な面でもパーツ的な面でも。あとはやはり、スケッチに関してもどれだけ手数と時間を掛けて仕上げられるか、が重要になってくるかなと。

 

 

 さて、今日は東京喰種の最終巻の発売日でした。数年前からずっと追いかけてきた漫画であり、自分の読者人生至上稀に見る傑作でした。

 ここでは内容に関して以前一度語った気がするので省きます。ただ、巻末に作者である石田スイ様が長めの手記を載せられていたので、それに関して。

 

 石田様ご自身が、どうやらあまり恵まれた環境で育ったとは言えなかったようです。厳格なお父様の元、学校の成績第一で育てられ、ゆえに反抗を繰り返した結果辿り着いたのが「漫画家」という職業だったと。

 その漫画家人生も決して楽なものではなく、一度も休載されなかったようですが体調は酷いものだったようです。味覚が全くなくなった事もあり、その時はご自身の漫画に登場する「喰種」に自分を重ねたこともあったよう。

 九年前の持込み時代の日記も載せられていましたが、若者らしく思い悩む姿が見られました。

 

 なんというか、ここまで栄華を築いた人にも過去があるのだと今回改めて知った気がしました。

 私たちは、情報が溢れる世界に生きていますが、結果すべての情報を知り得るわけもなく目に入ってくる情報を取捨選択しています。より身近な人の事は多くを知り得るでしょうが、石田スイ様程の天上人になってしまうとその成功体験ばかりがもてはやされる。

 

 その裏で、どれだけ彼が苦しんだか。仕事は嫌いです、連載中は辛くて仕方なかった、と手記には綴られていました。ただ、描き切った時「これを描くために全てがあったのだ」と想えたのだと。

 

 

 七年です。この方が連載を始め、一日も筆をおかずに、七年。この膨大な年月とその間に消費されたであろうエネルギーを思うと、途方もない気持ちになります。私は、どんなに長くても一週間以上掛けて絵を描いた事がありません。終わらない恐怖を知りません。

 きっと、石田スイ様も、他の普段接している皆様も、休養日以外一度も歩みを止められない世界で生きている。終わらない恐怖に押しつぶされそうになりながら、それでも生きて行こうとしている。毎日を繰り返すプレッシャーに耐えながら生活している。

 

 一方、私はこの所、何か苦しい事がある度に想います。

「ホントに苦しければ投げ出してしまえばいいや。最悪、この世から去れば良い」

 そうやって「終わり」を支えにしてしか生きられない程、自分が弱いのだと改めて思い知りました。

 

 

 それでも、現実はゲームでは無い。ボス戦で負けても、アイテムを摂り逃しても、コンティニューは出来ない。しかも、現実とは不確定で底が知れなくて、いつボスがやってくるか、アイテムが現れるか分からないのです。

 そんな中を、体調不良のまま七年。生きると言う事、仕事をしながら生活すると言う事の凄まじさを、この漫画を通して最後に知った気がしました。

 

 私も、いつかは今までの事が全て必然だったと思われるような、「報われる」瞬間に出会えるのかもしれない。ただ、その瞬間に出会うためにはそこまで歩いて行かなければいけないのだろう。その一歩を踏み出す所から、すべての人は始まるのだろう。

 

 何か、遠くの存在だと思っていた最高峰の漫画家という存在が、非常に身近に思えた手記でした。

 

 何か纏まりも無く長く成ってしまいました。また次回。