休養4/7日目
おはようございます。七日予定の休養も折り返し地点です。
■過去絵1
■過去絵2
■過去絵3
■過去絵4
今回の過去絵は2013年の物。ここまで来ると大分「表現」というもののやり方が解って来ている感がありますね。構図をしっかり決めて描いている所などは現在より評価できそうです。
この頃から、筆致の残った表現と言う物に憧れはじめていたらしく、疎密を活かした絵作りに取り組み始めているのが伺えますね。デザインにも拘りや密度が出始め、徐々に現在の形に錬成されて行っている様です。
さて、昨日も予定通り二枚描き、まだ昼頃であったのですがそこで筆を留めました。ただ、それでも疲れが溜まって来ていたらしく、夕方ごろころっと寝てしまいそのまま今朝五時まで爆睡。
やはりというか、絵を描くと言う行為にかなりエネルギーを持って行かれているんだなと再認識しました。
尚、努めて肩の力を抜いて描くようにしているものの、現在も絵を描いているとどこか圧迫感や焦燥感を感じる所があり、やはりまだクリアすべき問題が残っているのを感じます。まずはこの圧迫感、焦燥感の正体を明らかにしなければ。
平たく言えばそれらは、結局まだ自分が「実力以上」の事をしようとしている証拠かと思うのですが、ではなぜ実力以上を出そうとしてしまうのか、その状態から逃れるためにはどうすれば良いのか、というところまで解らないと意味が無い。そして、解った時点でそれを実践するところまでが今回の休養です。
今日の作業中に、それとなく自分の心理を探ってみるつもりでおります。
さて、昨日空いた時間に本屋に出向いたところ、「バイオーグトリニティ」の完結巻が出ておりました。というわけで、久し振りに漫画のご紹介など、と思います。
とはいえ、この漫画は説明が非常に難しい。導入は、友人と恋人関係にある少女に恋をしてしまった少年が、うじうじと悩む、というなんとも甘酸っぱい展開から始まるのですが、ページをめくっていると普通の現代社会に「異物」が入り込んでいるのがちょこちょこ目に入る。
街を闊歩する奇妙な姿の巨人。クローン斉藤と呼ばれるクローン警察官。川には当たり前のように主と思われる生き物がその巨大な姿をさらしている。それなのに、人々は皆、それらを日常として受け入れている。
そして、その異物の正体が徐々に明らかにされていきます。
この世界では、手に”穴”が開く人間が年を経るごとに増えている。”穴”が開いた人間は、そこに何かを吸い込む事でその何かと融合し、そのものの特質や形態を得た、いわば改造人間となる。
先程の巨人や川の主も、”何か”と融合して体が変質してしまった”穴”空き、通称「バグラー」だと言うのです。
主人公の少年もまた「バグラー」になり、なにを吸い込もうか迷い始めます。そんな時、思い人と付き合っている友人が、道を踏み外したバグラー、「バイオーグ」のハンターで在った事が知らされる…。
正直、ここまで読んだ時点で訳が分からん、と感じたと思います。私もです。前半は、作画の大暮維新先生の気合いが空回りし過ぎて非常に凝った作画が見辛く、設定もほとんど説明されないまま進行するので読者は置いてきぼりになります。
ただ、そのハンターの友人が裏切りによって死亡し、それを悔やんだ主人公が死に掛けの友人を吸い込んで融合し、自分の中で生かし続けることを選んだ所から物語は急速に展開して行きます。
バイオーグの中でも、バグラーを吸い込んだバイオーグは、つまりは穴の数が増える事になり、その要領で無尽蔵に命を吸収し続ける事が出来る様になる。そうしてほぼ不死になった「ウラノス」という巨大な悪と、彼に傅いたバイオーグ、「21星」達。徐々に話は彼らとの戦いの物語へと移ろって行きます。
無限の「命」を持つものをどうやって倒すのか? そもそもなぜバグラーが存在するのか。ハンターの意義とは何なのか。それらが濃密な設定と、大暮維新先生の圧倒的な画力で描かれ、最後は本当に気持ちのいいラストを迎えます。
何かを訴えかけてくるような話では正直無いですし、エンターテイメントとしてもやや読み辛い漫画ですが、間違いなく面白い、次世代型の漫画だと思います。十四巻で完結しているので、気になった方は是非。
ではまた次回。