イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

「異邦人」

f:id:yamadauta:20220103111128j:plain

■異邦人

 こんにちは。今日の一枚は年末ごろのタイミングで描いたモノ。これを描いた当時、恒例の完徹でありかなり眠い中調子の悪さを押して作業していたのですが、結果具合の悪さが強く出る出来となりました。

 大体「近代的な街並みとアナクロな異邦人との対比で見せる絵にしよう」くらいの狙いがあったのですが、背景、キャラともに詰め方が足りず、全体的に大分大味な感じが出てしまっています。ディテールをあと一段階掘り込んでやる必要があったかなと思っていますね。

 評価そのものはさほど悪くなく、今回も昨年の「天貫の塔」と同じく全体を一目で把握できる分かり易さがネットでの評に繋がったんだろうと思っていますが…、自分ではしっくりこないので、もう少し手間をかけてやりたかったところです。

 

f:id:yamadauta:20220103111145j:plain

■落書き

 

 さて、この数年絵描き界に爆発的なムーブメントを巻き起こしている「さいとうなおき」さんですが、私はしばらく前に最初期の動画を数件見た感じで自分にはどうも合わないなと思ったので敬遠していたのですね。

 しかし今日、作業が終わって暇なのでおすすめに出てきた添削シリーズを試しに見てみたのですが、非常に勉強になるなと思いました。思えば喋り方や動画の造りに癖があり、私が敬遠していたのも主にその部分なのですが、発信している情報としてはかなり質が良いんですよね。

 

 昨今、絵描きのタレント化、アイドル化が顕著であり、既に多くの絵描きがツイッターYoutubeなどで自身の内面を露出させながら活動しています。

 さいとうなおきさんはその波にいち早く乗った人だと言え、その動画内でかなり大きな抑揚と身振り手振り、表情をつけて発言をされていますし、そうした癖が苦手だという人も多いでしょう。あるいはあの方のとにかく何でも手を出しては成功を収めてしまう所がなんとなく気に食わないという人も多数いるかと思います。

 私もそのうちの一人ですし、相変わらずそうした部分は気に食わないものの、あの人の場合計算してそうした自分のキャラクターやアイコンを作って分かり易さを演出しているわけで、その努力については素晴らしいなと今回考えを改めました。

 

 成功している人と言うのはそれなりの努力と犠牲を払ってそこまで来ているわけで、もちろん成功していない人の中にもそれら努力と犠牲を払っている人は多数いるであろうものの、その地位に達するまでの研鑽や試行錯誤は評価されてしかるべきだなと最近思います。

 努力した人が全て報われるような社会になればそれが一番素晴らしいなと思うものの、百人いる中で五十一人の幸せを尊重して残りの四十九人については犠牲になってもらうというのが現状の日本の民主主義ですし、そういう仕組みでないと国を回していけない以上、「報われない人」が生まれるのは仕方ないのかなと思います。

 私も報われない人間の一人ですが、これが他人事であるならおそらく「俺は努力したから報われたんだ、そうじゃない人間は努力が足りない」くらいの事を公言してはばからない人間になっていたでしょうし、つまりは立場が違えば見える景色が違うというだけの理屈なんですよね。

 

 何より「だから俺は努力しても仕方ないんだ」となってしまう人間はそもそも競争にすら参加できません。

 

 結局は才能があろうがなかろうが、家柄がどうであろうが、環境に恵まれようが恵まれなかろうが、前進していくしかない。そしてその中で自分より優れている人については認めて仰ぐことをしなければ、いつしか己の中で嫉妬が凝り固まって酷い膿になってしまう。

 という事をひとしきり考えたりしましたね。さいとうさんの動画は相変わらず苦手ですが、良いモノを作っていらっしゃるという事実は認めねばならないなと思いました。

 

 ではまた次回。