イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

「稲荷、”深紅”」

f:id:yamadauta:20211019012458j:plain

■稲荷、「深紅」

 こんにちは。今日の一枚は、先日の天国街シリーズに一区切りつけ、また新たなシリーズものとして構想した物です。今回は日本古来の神話になぞらえた生き物と、一色の色を交えた、大体自分の強みが良く出るシリーズとして展開していこうと思います。

 というわけで一枚目は、稲荷(狐)という題材で描きました。概ね構図的に複雑なことはせず、キャラデザインの面白さで見せる形を意図しております。さほど新しい事はしていませんが、今まで培ったもので手堅く固めたイラストとなり、まあそこそこですね。

 最近キャライラストの際に特にしつこく練習していた胴部分の描写が一定のところに達したと言え、躍動感のあるポーズに対応した肉感が良く出たかなと。他の部分の詰め方も適当であり、完成度の高い一枚と言えますね。

 

f:id:yamadauta:20211019012505j:plain

■落書き

 

 さて、昨日作業しながらぼんやりツイッターを見ておりましたところ、トレンドにて「共産党が”非実在児童ポルノ規制法案”を国会に提出する構えである」みたいな情報と、それに関するツイートを多数見かけました。

 正直この手のニュースに関しては言及するのも馬鹿らしいと言うか、ごく一面的な見方しかできない人間たちが相手の主張に一切耳を貸さず、多方に分かれて喧々諤々と無意味なののしり合いに時間を費やす、というのが毎度のことであり、目に入ってしまうたびに辟易しております。

 まあそれでも、今回あまりにもオタクの一方的な共産党に対する糾弾ツイートばかりを目にしたので、それに対して思ったことをこちらに。

 

 オタク側の主張を大体まとめると、

 

 1.非実在児童は実在していないわけなのだから、それに対して保護の必要を持ち出したりポルノとして消費されるのにあれこれ言うのはおかしい。

 2.現在この法案を後押ししているのは一部のツイフェミ(ツイッターフェミニスト)だけであり、彼女らの言だけを聞いていると意見が偏る。

 3.この法案を通してしまうと、アニメや漫画業界の衰退に遠からずつながるのは火を見るよりも明らかである。文化保護の観点からもここで食い止めておかなくてはいけない。

 

 といったような内容になるのではと思います。まあ、これらをただ聞いている限りは正しい事を主張しているように思えますね。

 とは言え私が思う反論を以下に挙げると、

 

1→非実在児童を守ることが本法案の要点ではなく、あくまでもそれらポルノ表現を見た一般市民の不快感や、社会風俗に与える影響を汲んだ法案である。

2→ツイフェミたちの言論が目立っているだけで、黙って耐えてはいても本心ではポルノ表現に強い抵抗を示している人間が潜在的にかなりの数いると思われる。

3→文化を守るという体裁は立派だが、それを建前に過剰な表現まで善しとする風俗は間違っていると思う。何よりも実際に行き過ぎた表現をする創作家が社会の表面に露出しすぎており、一般市民の不安を煽っているのは事実である。

 

 この数年オタクの数自体が急増し、結果今まで息をひそめていたタイプのオタクが「自分たちは市民権を得た」とばかりに増長しており、相当好き勝手に振る舞うようになった、というのが私の抱いている認識です。しかし実情はと言えば、一般人の中でサブカル好きを自認する人間が増え、彼らが自分たちを「オタク」というキーワードでくくるようになったというだけに過ぎず、いわゆる「キモオタ」たちの社会的マイノリティという立場は全く変わっていません。

 調子に乗りすぎてんじゃない? と思うわけです。そして彼らが調子に乗る事で被害を被るのは、我々同じオタク界隈に属する人間なんですよね。

 

 我々オタクは、自分たちのマイノリティとしての立場を理解して、長年こそこそと、陰で自分たちの趣味を楽しんできました。それが表に露出しすぎた結果、今回のような事態を招いているわけで、結局はつつましさを忘れたオタクたちの自業自得ではと思えてならない。

 ここですべきことは、「オタク趣味は恥ずかしい事じゃない!」といきり立つことではなく、元々のつつしみを思い出し、自分たちが愛でている文化は基本恥ずかしいものなのだという事を理解して、もう一度オタクと言う文化を影に潜める事なのではないか、と私などは思うわけです。

 

 そもそも町中を普通に歩いていて胸の谷間やら太ももやら強調した女の子のイラストやらなんやらを見かけたら、それを好意的に思う一般人のほうが少ないのは道理でしょう。そういう一般的な感覚を我々が忘れてしまってどうするんだ、と思うんですよね。

 

 という大体愚痴でございました。

 以上の考えから、私はこの際、渦中の法案を完全な形とまでは言わないまでも、ある程度形を変えて通すことについては賛成です。規制されなきゃ自分の行動も制御できないというのであれば、一度痛い目を見て思い知るしかないかなと。

 

 ではまた次回。