イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

資料の有用性

  こんにちは。今日は一人で昼食だったのですが、外で食べるのも高くつくので結局カップ麺を買ってきました。でもちょっと奮発して一個二百円弱の高価なカップ麺です。やはり美味い。母親の手料理に並ぶものではございませんけれどね。

 今日は資料の活用についてお話させて頂こうかと思います。

 

 デザイン関連のイラストなど描いておりますと、こんなものを思いつけるなんてすごいね、なんて言って頂けることがあるのですけれど、実際の所イメージというものはゼロから生まれることは滅多にございません。私も含め、どんなにレベルの高いプロのイラストレーター様であっても、絵を描く際に要となる写真や情報は必ず必要になってきます。

 それらイメージを纏めるための材料をしばしば「資料」と言うのですが、これが実は絵を描く上で一番と言っていいほど大事。

 

 なぜか。イメージを捻りだす材料となることは元より、より本物らしく見せるために「本物がどう見えるのか」を知っておくことが不可欠だからです。

 ここにデッサンや素描が必要とされる理由の一端もあるのですが…。

 

 例えば、お化け屋敷のお化けを作るとします。そのお化けは当然架空のものになりますよね(お化けを実際に見たことがある方なら違うのでしょうけれど)。でも、そのお化けがあまりにも作り物じみたちゃちい物であったなら誰も怖がりません。作り物であるからこそ相応のリアリティが求められるわけです。

 そのリアリティの基になるのが、やはり現実に存在する様々な物質や概念になります。

 お岩さんのようなオーソドックスな幽霊を作る際にも、まず人間の顔形にリアリティがなければ怖くありませんし、傷や目の上のこぶ、水にぬれた髪と言ったものも作り込んで行きたい所です。さらには、着物などは本物を使うのが一番良いですよね。

 要するに「本物に敵う作り物は有り得ない」と言えますね。

 

 このように、現実的な怖さ、カッコよさ、可愛さなどの基になるのは全て現実にあるものの怖さ、カッコよさ、可愛さです。デフォルメされたキャラクターであってもそれは変わりません。

 また例を挙げて行きましょうか。

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 これは「炎の悪魔」をイメージして描いた去年の習作です。色々実力の足りない部分はございますが、ひとまず悪魔であることと、人型であること、ツノが生えていることなどはぱっと見で理解出来ます。この「ぱっと見で理解出来る」というのがとても大切。それは、以前お話したイメージの継承によって、現実にある人、ツノ、そして物語の悪魔との関連がすぐに頭に思い浮かべられるからそれを連想できるという意味に於いて、です。

 モンスター以外にも、下のようなキャラクターの場合。

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 これも私の描いたキャラクターですが、すぐに剣士と分かって頂けると思います。剣や盾、防具などが現実のイメージとすぐに結びつくからです。それら現実のイメージを集める手段として、まず現実のものを観たり触れたり動いている所を眺めたりすること。次に資料を集めること。それが何よりリアリティを高める手段になるわけですね。

 

 次回から、デザインに関する部分から一歩離れて、より観念的な絵の概念についてお話しようかなと思っております。クオリティ、コントラスト、エッジ、パターン、など、絵を描く上でよく聞かれるワードを順にご説明させて頂けると良いかなと。よろしければお付き合い下さいませ。

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