イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

「メッセンジャー!!!」と「ブレイドシフト」

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メッセンジャー!!!

 

――数えて三年前の春、ギアーズの暴走に巻き込まれて左足を失った私に、わざわざ菓子折りをもって詫びに来たギア社のCEOを名乗る男性はしかし朗らかに告げた。「うちの下働きのポストに空きがあります。あなたのように意欲のある方は大歓迎だ」そうして私はギア社グループを結ぶ配達員になったのだった。――

 

 今日の一枚目はモチベーションが低かった時に描いたもの。このところ比較的まとまった出来のものが続いていましたが、今回は大分仕上がりが落ちましたね。単純にやる気の嵩が仕上がりに直結するのはもう自分の場合どうしようもないかも。差し当たって精神状態があまり影響しないように、絵を描く工程のほとんどをルーティン化して頭を使わずとも描けるように仕向けてはいるんですが、ルーティン化されている工程も結局は描いたり見たり判断するのは自分なので、いかんともしがたい部分がありますね。

 

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ブレイドシフト

 

――本日が配属式だった。私の右腕に収まるそれは、軍需産業に進出したギア社が新しく考案した戦闘用義肢、ギアズ・ブレイクシリーズである。その物々しい様に、先輩傭兵達が鼻白む気配が伝わる。参列した技師が得意げに鼻を上げた。これから己の発明した物で更なる血が流れる事を理解しているんだろうか?――

 

 二枚目は、構想にある程度時間を割き「腕が刃型になっているギアーズを出そう」くらいの着想から膨らませたものです。こちらは良い出来ですね。やはり、ある程度目的意識をもって描き始めると、意図が明瞭になり、結果作業もやり易くなるしやる気の方向性も定めやすいという事かもしれません。この一枚については詰め方もかなり丁寧であり、それでいて抜くべき箇所は抜かれていてこのところ試していた粗密の一つの完成形と言えるかなと。

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■落書き1

 

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■落書き2

 

 さて、このところ、毎日に張りがなくただただルーティンで絵を描き続ける状態に鬱屈されており、数日前からDTMの勉強をしておりました。DTMとはデスクトップミュージックの略で、海外ではコンピュータミュージックなどと呼ばれるように、パソコン上で音源を打ち込んで作曲するタイプの楽曲ジャンルを指します。絵も描けるし文章も描けるんだからどうせなら作曲も出来るようになりたいな、くらいの安直な気持ちで始めました。

 

 基本的にパソコンかスマホさえあれば、フリーのDTMソフト(DAWと呼ばれます)をダウンロードして作曲が可能であるようで、私もStudio One Primeというフリーソフトを落としてまずDTMをやっているフォロワーさんのアドバイスに従いそのソフトの使い方動画を見る。まずソフトの仕様になれなくて躓くよ、と言われたので。

 見てみるとかなり出来ることが多く、早くも途方にくれました。どこでどの音を鳴らせばどういう印象になるか、という音楽の基本的な知識がさっぱりないので、出来る事だけ提示されても何をやればいいかわからない。

 

 というわけで、「作りながら覚える三日で作曲入門」という本を買い、今日から勉強を始めました。

 

 一日目はドラムとベースの基礎。

 DAWではドラムやベースと言ったテンポを作るタイプの音源もメロディを作る音源と同様のやり方で打ち込むのですが、早晩インタフェースになれず、一日目の工程だけで三時間くらい消費しました。これは疲れる。

 しかして音楽の基礎から優しく教えてくれる書籍であったため、早くも楽しさがあり、また実践を交えて解説されているので退屈しません。どうやら三日間の工程で一曲オリジナル曲を作り、そのあとブラッシュアップのためのトピックスを踏んでいく、という工程になるよう。

 

 一日目の工程ではなんというか、タンタカタンタンというドラムのリズムに合わせてベースがブーブーなっているだけという、まあ打ち込んだ本人にしてみれば感動的なんですが音楽とはとても言えないものが仕上がっており、正直これがまともな曲になる未来が見えません。しかし三日で出来るといっているのだからそこは乗せられてやりましょう。

 というわけで、こちらにも音楽が仕上がり次第上げてみようかなと思います。楽しいですね。

 

 ではまた次回。

「戦場のジョーカー」

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■戦場のジョーカー

 

 ――今日も敵に得物である大剣を突き立て、笑みを漏らす。ギア社の募集に乗っかって私設兵団に入隊し、戦場を駆けるようになってから、快楽以外の感情が薄れていくのを日々感じていた。ああ、楽しい。他者を蹂躙するという事がこれ程の悦楽を伴うとは。そうして背後に這い寄る死を、見て見ぬふりして笑う。――

 

 こんにちは。今日の一枚は、久しぶりに全身サイボーグの少女を描いてみよう、くらいの趣旨で制作したもの。今回も大分筆数を減らしているというか、途中までしか詰めず特にメカ部分の造形に関しては軽く流しています。結果今回も柔らかさが強く出る形となりました。

 あまりにも過剰に整えていた時期のものと比べると、かなり差がついてきたなと思いますね。ここから要所のみ描き込みの震度を掘り下げる、という事を試していきたいです。

 

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■落書き

 

 さて、何のかんのと更新しないうちに二週間分くらい未掲載分が溜まってしまいました。コンスタントに出していかないとなと思っているものの、一度瓦解したペースを組み立てなおすのはなかなかに困難ですね。

 

 尚、先日、日曜に放送されたらしい「ブラック★ロックシューター」の新アニメですが、いつも通り視聴はしていないもののアニメとしての出来に興味があるので地味に情報を集めています。

 ブラック★ロックシューターと言えば、初音ミクの黎明期に投稿された同名のボカロ楽曲が華々しくヒットしたことを受け、フィギュアやアニメ化、ゲーム化といった複数のメディアミックスが展開された企画としてあまりにも有名ですが、私も当時OVAのアニメだけ見た感じで「かなりもったいないキャラの使い方をしているな」という印象を持った作品でした。

 そもそもがそのOVA企画とその後展開されたテレビアニメ一期はかなり散々な評判のまま幕を閉じています。おそらく当時、少女同士の緊張感のある戦闘、という現在では流行りと言える手札をまともにシナリオに組み込めるライターがいなかったから起きた、いわば時代を先取りしすぎた案件だったかなと思っているのですが。

 

 まあそんなわけで、今作(新アニメ)がどういった雲行きになるのか、当時ブラック★ロックシューターのビジュアルに多少なり熱狂したオタクとして楽しみにしています。

 

 尚、今回のアニメ企画、および追って発表された新作のブラック★ロックシューターを扱ったゲームのコンセプトアート、およびキャラデザインに、以前から応援している「友野るい」様というコンセプトアーティスト様が深く関わっているらしいことを知りました。

 

twitter.com

 

 こちらでも折に触れて何度かご紹介しているかと思うのですが、友野様が個人的に展開されているコンセプトシリーズ、戯画桃太郎奇譚がこちらで一覧できます。

 とにかく見て頂けると良いかと思うのですが、現代日本に古代日本の祈祷やまじない、神や魔といった存在が当たり前に共生している、という創作を展開されており、その街並みの描写のち密さや怪異のぞっとするようなおぞましい姿、そしてそれらに対処する「黒服」と呼ばれる公設部隊の人間たちのかっこいいキャラデザなど、とにかく素晴らしく人の勘所を突くビジュアルになっている。

 以前病院で暇だったので、T中様(オタク、非絵描き)に戯れに布教してみたのですが、かなり刺さったようです。街並みの景観として昭和の日本をベースにされているので、ちょうど世代のT中様にはぐっと来たよう。

 

 まあ今回のアニメ、ゲームの新作に関わられた件で、また一歩手の届かない高みに行ってしまわれたなと正直黄昏ているんですが、あと十年後くらいに自分もその地位に今よりは近くつけていたいところですね。

 

 ではまた次回。

「ロスタイム・ブレイク」

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■ロスタイム・ブレイク

 

――私の人生はロスタイムだ。登山中に遭難し、一夜を吹雪に囲まれて過ごして助け出された私は、凍傷で右腕と左足を失った。失意の中過ごした数か月。その後、ギアーズを移植されて手にした自由は今までのどんな幸福よりも輝いて見えた。人生の退屈な一時を慈しむように飲み下し、今日も日暮れを見送る。――

 

 こんにちは。今日の一枚は、景観を主体に作り込んだもの。さほど発展的なことはしていませんが、シルエットを重視して背景の街並みを組み、左上の猫と人物の顔の周辺に視線が誘導されるような流れを意図しました。

 絵の方は大分調子が戻ってきた事が言えますし、また大して欠点のないところまで達しつつあるなと。現状弱い点と言えば、光源である太陽光や月光、室内灯の「光の色」が画面に反映されていない点でしょうか。今までライティングがマズい、マズいとずっと言ってきましたが、陰影の理屈はある程度読み込めてきたと思いますし、あとは光の当たっている部分がぼんやり黄味がかる、という理屈を読み込めばいい気がします。

 

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■落書き

 

 さて、最近こちらで騒いでいた問題も根本解決とはいかないまでもある程度解決を見たという事で、この数日は非常に穏やかで平和な時間が流れています。

 なんというか、必要な人だけ周りに残るようにふるまっていた結果、身の回りに私にとって非常に気持ちのいい人脈が築かれつつあり、特にこの数か月はそうした人たちに囲まれることで毎日が充実していて、変な悪夢を見ることも激減しました。ストレスそのものが取り除かれつつあるんだろうなと。

 

 しかして、私自身の問題として、他人に好かれているという前提でモノを考えるという事が出来ないタチであり、周囲の私を慕って寄ってきてくださる方たちに対してどういう風に好意を返せばいいかという点で地味に悩むようになりました。

 私は単純に自分が気持ちいいと思ったふるまいを淡々と続けているだけであり、本来的にそれに対して報酬をもらうのはおかしいのではないかと思っている。まあ、とは言え好かれる事(特に自分が好きな人たちに好かれる事)は嬉しいんですよね。

 そんなことを今日あたり煮詰め始めると止まらなくなりました。

 

 最近かなり調子に乗っていたので、ここらで凹んでおくことは必要だなと思っていましたし、いい薬です。気が付くと自分中心の考え方に陥ってしまう人間なので、偶に自分で軌道修正してやるべきですね。やれやれ。

 まあそんな感じでなんとかやっています。

 

 こちらの更新ペースを毎日まで戻そうと画策しているのですが、一日の作業ノルマを終えてぼんやりしているといつの間にか寝落ちしているという日がほぼ毎日とか。かつてなかったほどに疾走感のある毎日を過ごしていますね。

 十代のころは「こんな日々早く終わってくれ」とずっと希死念慮を抱いていましたし、二十代のころは「いつになったら報われるんだ」と希死念慮を抱いていたので、三十代になってからの幸せにあふれた日々が本当におかしくなるんじゃないかと思うくらい毎日胸を満たします。

 このまま調子に乗って大風呂敷を広げた挙句道を踏み外して、いずれ転落してしまうことを恐れていますが、まあ実体のない悩みだと思いますし、そろそろ自分を許してやれると良いのかもしれません。

 

 ではまた次回。