イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

「魔獣討伐」

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■魔獣討伐

 

 おはようございます。今回も今までにしなかった事をしてみよう、と、シチュエーションから先に作った一枚を載せてみます。

 先日から爬虫類系の鱗を描く練習をぼちぼちやっているのですが、まだ随分不自然に見える感じですね。あと、今回人体デッサンがはっきりと狂ってしまいました。選択したポーズの難易度が今の自分の実力に見合わなかったですね。人体に関しては最近また狂いが目立つようになってきたので、そろそろまたヌードドローイングをしなきゃと思う所。

 

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■経過

 ぼちぼち仕上げに入っているのですが、まだ装飾表現が足りない気がするのでもう少し盛って行きたい所。

 

 さて、先日一冊小説を読み終えたと言う事で、さっそく二冊目を読み始めております。今回もりと様が以前書評を書いていらした作品です。

ritostyle.hatenablog.com

 読み終えた小説と同じ作者様の短篇集なのですが、昨日辺り初めの一篇である「うつくしい墓」を読み終えました。この短編の主役はアンリ・マティスであり、またライバルであり親友である画家としてパブロ・ピカソが出て来ます。

 この両者に関しても私はほぼ知識がなかったのですが、両者が太陽と月のような対照的な画家として描かれ、そしてその輝きに魅入られたマティスの家政婦の視点で二人の生き様や作風が語られます。

 

 賢者を思わせる穏やかで知的なマティス。女性付き合いも派手でエネルギーのほとばしる情熱家ピカソ。そして、第三者としての存在である「マダム」。彼らの三者三様の芸術の愛し方がヒシヒシと伝わって来て、それはもう読後清々しい気持ちになるのです。

 家政婦の視点から見た、どこまでも澄み渡る湖水のようなマティスの居住空間。そこを回遊し、命を賭けて最後の製作に挑むマティスと、彼を支える四人の女性たち。ともすれば嘆きであるとか、悲しみであるとかに支配されると思われるのですが、彼女らはマティスの死期が近い事を悟り、またどうにか生きて欲しいと望みながらも、その今のささやかな生活を必死で守って行くのです。

 

 作者様の表現力の為せる業だと思うのですが、その何気ないようで特別な一日一日の様子が、ぐっと心に沈んで気持ちの奥のほうに引っかかります。自分もこんな風に絵を描いて生きられたら。

 今回もそんな事を強く思いました。

 

 残りの短篇もじっくり咀嚼しながら読もうと思います。

 ではまた次回。