イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

初級者向け講座15「構図の基礎、組み立てと優先順位」

 こんにちは。こちら京都では本当にうだるような暑さと湿気の蔓延する不快指数が怒涛の快進撃中なのですが、もう梅雨は明けたのですかね…? 天気予報をこの所見逃しているせいでいまいち季節に乗れてない感がございます。でもまあもう七月なわけですし、梅雨がしっかり在ったために今年は順当な夏の訪れですね。

 今回は、前回の俺講座に頂いた夕橙様のコメント、

 

>自分は構図を組む時にはまず「何を一番に見せるか」を考え、必要な要素に優先順位をつける形で配置や配色を考えます。

 

 を参考に、構図作りの初めの段階を考え直して行こうかなと思います。

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 まず、「何を一番に見せるか」という考え方ですが、さすがに一枚絵での構図作りに長けている夕橙様の指針だけあって、すぐにでも応用可能で且もっとも大切な要素ですよね。「その絵での”主役”を決める」という言い方も出来るかなと思うのですが、とにかく絵の中で一番目立たせたい部分、繰り返しますが最も見せたい部分をはっきりさせておくことは、意義のある構図作りをする際の基本になるかなと私も思います。

 この”主役”のことを、絵の世界では「主題」などと呼ぶことが多いですね。

 

 なぜ主題を中心に優先順位を付けて行くことが有効になるか、なのですが、絵という物には必要最低限の物を詰め込んだとしても、コンセプトが壮大になればなるほどそれだけ多くのモチーフが流入することになります。

 下のイラストなど見ると分かり易いのですが、

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 このイラストの主題は言うまでも無く手前のクリーチャーと女性。ですが、面積や情報量としては背景の洞窟のほうが圧倒的に大きい。それを、色相や明度を使って、「人物>クリーチャー>洞窟」の順に目が行くように優先順位づけしているわけですね。この優先順位がしっかりしていないと、「作者がその絵で何を訴えたかったのか」といういわゆる「命題」が伝わらなくなってしまう。

 夕橙様や、同俺講座にコメント頂いためんと様も含め、構図作りに長けている絵描き様というのは大抵ここの部分がとてもしっかりしていらっしゃいます。

 命題というのも、呼び方の違いで結局は「コンセプト」ですね。デザインの際重要になるのはもちろんの事、創作一般を行う際にコンセプトは不可欠になると言えます。

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 今回は手短にして纏めて行きますが、要するにコンセプトに優先順位を付けて行けばいい、ということです。「ある朝の」「朝食のパンを咥えた」「女子高生が」「住宅街を」「走って」「学校に向かう」というコンセプトの場合を考えてみると、女子高生、を命題にする場合が当然多くなってくるのでしょうけれど、次に優先すべきコンセプトとして走って、を選ぶか、住宅街を、を選ぶかで、なにを画面に全て収めて何を見切れさせて、どの要素をどういう角度で配置するか、などが自然と決まってくる。

 走ることを強調するならポーズを大げさにしたうえで足まで入れたほうが効果的ですが、住宅街を強調するなら上半身だけを入れて画面上部に街並みを入れたほうが効果的かもしれませんよね。ざっくりご説明するとそういうようなことになると思います。

 

 夕橙様には無断で話題をお借りしましたが、こんな感じで仰った意図として間違いなかったでしょうか…。

 

 次回の俺講座からも構図作りに絡めて何かお話出来ればと思っておりますが、ここらでまた閑話休題ということで、最近コメントを頂く中でまたちらほら話題として上がるようになってきた「個性」と「イラストワーク」の関係性について、再度見直しのようなことをやってみようかな、と思っております。では、また次回。

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