山田唄のイラストブログ

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

初級者向け講座6「ポーズと重心」

 こんにちは。昨晩は本当に一睡もしないままの完徹だったので現在寝不足でひょろっひょろでございます。一応朝方寝たのですけれどね、仕方ないこれは。とりま休日だということを言い訳にゆっくりしております。

 今回は、前回の講座的雑記で触れた人体丸々一体の描き方をもう少し掘り下げて行こうかなと思います。

 

 人物画を描く時に、よほどのアップでもない限り欠かせないのが「ポーズ」になるかと思います。前回もちらっと触れたように、人物にポーズを取らせるとき重要なのは重心。この重心、実は色々な使い方が出来ます。

 まず、基本形。

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 前回もご説明した直立のポーズですね。直立の状態では、人体に掛かる重さと言うものは両足に向けて分散されていて、いわゆる大変安定した体勢ということになります。重心の位置は大体人物の腰辺りから垂直に降りてくる感じ。背骨が頭の重さを受け止めてS字にしなり、そのしなりが骨盤からさらに脚へと伝わって、脚もややS字に沿った状態で安定しているわけですね。

 これ、なぜS字という基本形が繰り返し現れるか、というと、骨が実は大変しなやかな素材で出来ていることが理由として挙げられると思います。背骨なんかは細かい骨のパーツに分かれていて、それが骨髄でS字に繋がっているのですけれど、脚は継ぎ合わされた二本の骨が実際にしなり気味になって体重を支えています。

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 この画像の脚が(やや大げさにデフォルメされていますが)分かり易いでしょうか。ご覧頂けると分かるように、この状態ではお腹が膝の位置よりも前に出ています。それでいて、上体はやや後ろに反り気味になることで重心を体の中心に保っています。

 さて、これが基本形、つまりは応用ももちろんございます。わざと重心を崩す、という形ですね。

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 この画像が分かり易いでしょうか。ここでは、人物は先ほどの直立とは違い、人間の最もよく見られる動きの動作である「前進運動」を行っています。この時、上体はやや前傾姿勢になり、前に踏み出される脚が浮いている状態になります。(走る時は両足が浮いている状態と言うのももちろん存在しますが)よって、重心は人体の腹の辺りからやや斜め前方へ。先ほどの言い方で言えば、「安定していない」状態であるわけですね。

 こうした重心を崩すポーズを取らせる事で、単純に人物に「動き」を与えることが出来ます。いかにも動き出しそうな生き生きした様、というのでしょうか。スピード感や勢いと言ったものを感じさせたい時にもこれは有効です。

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 この画像は、同じ場所で舞を舞いステップを踏んでいるような人物を表していますが、この時も重心の位置は腰よりも上、腹の辺りにあります。重心が上に移動するとどうなるか。振り子を思い出して頂けると分かり易いですね。あれは、錘が先端に移動するほど運動力が高くなると理科で習ったかと思うのですが、この錘が重心に当ります。つまり、重心が上に移動するほど人体も大きく運動する力を加えられることになるわけですね。

 それらの作用から、絵の上でも重心を上に持ってくることでより激しい動きを表現することが出来るようになります。

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 このイラストなど、重心が頭近くにあり、大変躍動感が感じられます。先程の振り子の原理と併せて、ここでは背骨のしなりを利用しています。前傾姿勢をとり、背をまげ屈んだ体勢にすることで、次には背骨のバネが跳ね返って上体を起こすような動きを連想させるテクです。

 また、このイラストで分かるように、衣服や髪の流れというものも動きの表現に一役買ってくれます。

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 このイラストでは特に衣服(毛皮)での動きの説明に成功しています。人物の動きの後を追うように毛皮を舞い散らせることで、より激しい動きを表現しているわけですね。

 

 さて、基本形と重心を崩す形について簡単に述べさせて頂きましたが、もう一つ、「より安定させる」という形も存在します。

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 このイラストでは、人物が大股を広げて仁王立ちしています。「不動」「力強さ」を感じて頂けるのではないかな、と。それは、このとき重心が腰よりも低い位置にあり、この人物の重心が直立よりもさらに安定しているからなのですね。

 動き=重心の位置取り、ということを頭に入れておいて頂けると良いかもしれません。実際には二人以上の絡みになってくるとより複雑になったりするのですが、安定しているかどうか、重心がどの位置にあるか、という点を意識して頂くと、ポーズの意味の持たせ方に大きく手助けになってくれるのではないかなと思います。

 

 久しぶりに長くなってしまいました。また次回。