初級者向け講座5「全身の流れと重心」
こんにちは。今日も世間では祝日という事で、ちょっと寝坊してしまいました。
しばらく休止していた講座的雑記ですが、このブログでお世話になっている方に人体の練習を頑張っている方がおられ、ここらで少し自分も知識を整理しておこうかなと思ったので、また続きを書かせて頂きます。
まず、前回までの体幹と手足、顔などのパーツを纏めると、大体以下のような感じになるのではないかと思います。
ちょっと角度がついておりますが、直立の姿勢を描くとしたらこんな感じではないかな、と。ここで気を配って頂きたいのは、主に背骨の位置・形と重心の位置です。
特にこのキャラは女性なので、胸を張った、背骨を少し反らせた姿勢で描くと、とても女らしくなります。それは、骨盤の構造の関係でそういう姿勢を取ったほうが内股に成り易い点、女性特有のしなやかさなどを表現し易い点などが理由に挙げられます。
逆に、男性らしい重心の取り方というと、こういったちょっと腰を前に突き出すような姿勢が一般的でしょうか。
ただし、こういった直立姿勢というものを実際に動きの一部として取っている人というのは、日常においてまず居ません。大抵、何かの動作の途中であったり、ただ立っているとしても右足か左足のどちらかに重心を傾けています。そのほうが姿勢としてラクだからですね。
例としてはこの画像が分かり易いでしょうか。骨盤の傾きを考えた時に、この画像では左足に体重が掛かっているため、右足がだらりと折れ曲がることになり、骨盤が向かって右上に傾いています。しかし、そのまま体が向かって左に傾いてしまうとそのまま倒れてしまうため、人体というものは自然とバランスを取ろうとします。そのために肩は逆に左上に上がるわけです。
この重心と体の流れの理屈を理解しておくと、大抵の立ちポーズは自然に描くことが出来るようになります。
最後にもうワンポイントだけ、全身を描く時のコツを述べてみます。
これはずいぶん前にとあるSNSで人体パースについての説明用に作った画像です。
パースの正確な知識はとりあえず抜きにして、まず目線の位置を意識してみると良いかなと思います。その目線の位置に近い部分はパースの傾きが小さく、遠くなるほどに大きくなっていく。それを赤い円の角度で示してみました。
このように、人物の顔の辺りに目線を持ってくると、足元の辺りはかなりパースがついた表現が求められることになります。つまりは、ちょっと上から見下ろしたような角度で描いてあげると良いわけですね。これによって絵に奥行きも出て来ます。
パースに関しては理論や正攻法から覚えると本当に複雑なのですが、クロッキーやデッサンなどをさわり程度にでもやっておくと、なんちゃってパースと言いまして、目測で大体正確にパースが描けるようになって行きます。それは背景だけでなく立ち絵にも応用できるんですよと言うことを言いたかったのでした。
では、今回はこの辺りで。また次回。