イラスト・ノート

イラスト描き、山田唄の制作物を載せて行きます

長田様よりの課題とイラストメイキング

 おはようございます。相変わらず夜更かしして作業でございました。先ほど暗い中コンビニに参りましたら、既に冷やし麺製品が売り出されており、やや危機感を抱いております。特に冷やし麺に恨みはなくむしろ好きなのですが、今年の夏どんだけ暑くなるんだろうなあ、と…。日本にはリアルエルサが必用でございますよ…。

 

 さて、本日のお勧めはこちらのコンセプトアーティスト様。

Kouji Tajima Art

 「田島浩二」様と仰る日本人アーティスト様なのですが、何とこの方、ハリウッドでお仕事をされています。若い頃からハリウッドで仕事がしたいと考えていらしたそうで、その常人なら諦めるのが確実と思われる道のりをご自身の努力で歩んでいらっしゃる、私達の世界の超人のお一人です。

 なかなか啓発的なご発言をツイッターで多々されているので、あまり私は深く立ち入らせて頂いてはいないのですが、間違いなく日本のトップクリエイターのお一人でしょう。

 現在世界で描かれている「コンセプトアート」という名のイラストは、その多くが「マットペイント」と呼ばれる画法で描かれております。これ、私も自分で言いながら勉強中の身でして、実際まだどういうものかよく分かっていないのですが、本当に魔法のような手順を用いて短時間で凄まじい絵を描き上げる技法です。短時間で、という所がミソ。コンセプトアートのような性質の絵には必須のアビリティですね。

 

 昨日こちらを覗いたところ、長田様がまたブログで私の記事と絵に関して言及、アドバイスを下さっていました。これ、そろそろ授業料お支払したほうが良いですよねマジで。日に日にノーリスクでこれだけの体験をさせて頂いていることに後ろめたさを覚えるのですが…。

 その記事中で、ある試みをしてみないかという形で課題を頂きまして、まあ詳しくは直接長田様のその記事をご覧頂くとしまして。↓

nagatakatsukioekaki.hatenadiary.jp

 私のキャラを丁寧にお描き頂き、それに対して上書きする形で厚塗りをしてみて? といった課題でございました。

 まずはやってみたものを貼り付けてみます。

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 はい、正直に申しまして、このような試みは全く初めてに近かっただけに大変苦戦の跡が見受けられます。

 まず、色を載せて行く段階でいつものように線画の上に塗り始めようとしたのですが、今回の趣旨は線画を意識して塗ることだ、ということにちょっと比重を置き、まず乗算でレイヤーを重ねて、線を潰さないように厚塗りを致しました。その後、余分と思われる線だけ消してこの状態なのですが…。

 まず成功点として、ガイドがあったので大変塗り易かったのが事実です。影の位置も斜線で示してくださっていたので影を置くときに迷いが無く、実際に先日載せた顔の練習の三分の一ほどの時間でここまで仕上がりました。

 反省点として、私が線に慣れていなさ過ぎたせいで、端々の線画の扱いが曖昧になっています。目以外の線は全て消してしまえば良かったかもしれないなあ…うーん。

 

 さて、そんな所で、ここらで自分の反省と長田様へのご報告込みで、私の普段の制作過程をお目に掛けようかなと思います。たぶん参考にしてはいけないものです。一応メイキングかなーと思うのでそのような扱いで解説を付けて行きます。

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 まず、ラフ。大体私がラフを切る手順として、まず棒人形を描き、それに肉付けし、その上から鎧や衣装を着せてさらにその上から簡単に色を置く、という工程を踏んでおります。これ、ゴミが出ないように全て別のレイヤーでやるべきなのでしょうけれど私は一枚で無理やりやっております。一応線でデザインはするものの、ブラシ(デジタル上でのペン)の太さが大体アナログでのサインペンほどなので、緻密に描き込んでいるとは言い難いですね。

 ここでは、細かい装飾や造型はとりあえず置いておいて、面をとることを目的に影も重ねています。面、というのは美術のスラングで、ある程度の広さを持つ平面のこと。3Dのポリゴンを考えて頂けるとイメージし易いかもしれません。あの、カクカクの面ごとに影を付けるように、ここでは大雑把に明と暗と固有色くらいに分けて明暗をつけているわけですね。この段階で構想も含め大体四十分ほど。

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 次に、下塗り。リアル依りのイラストなので、自影と呼ばれる影の部分をかなり暗く落とすために、全体に黒を混ぜながら更に面をとっています。肌には黒を入れるとさすがに濁り過ぎるので、濃いブラウンを入れて調整しています。

 また、肌の質感を出すために、やや血色の良い色を重ねて肌の下の血の流れを意識させます。今回は浅黒い肌を目指したので黄土っぽい褪せた色を重ねましたが、普段はオレンジとかピンクとか重ねますね。この工程を踏んでおくと透き通るような肌の質感が表現できると言われています。

 あと、ここでちょくちょく左右に反転と言う機能を使って絵の歪みを修正しています。人間の眼と手には大変癖があるので、どんなに意識していてもフリーハンドで描く限りある程度歪むのですよね。左右に反転したり、紙を後ろから透かしてみたりすると、その歪みが大変よくわかります。それをここではちまちま潰しつつ修正して行きます。ここまで計二時間程。

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 塗り込み。影の部分に、ずいぶん前光の話をした時にお話し致しましたスカイブルー(反射光)を足し、特に金属の部分中心にハイライトに太陽の光の色を混ぜます。あとはひたすら色と色の境界線の色をスポイトで取って馴染ませていきます。この作業、厚塗りに慣れないうちは気が狂いそうになるかと思うのですが、慣れてしまうと逆に快感になってきます。とても危ない。ここまで計四時間程。

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 そして、最後に簡単にオーバーレイで色を調整して完成です。合計五時間程の作業でございました。

 

 ここまでご覧頂いて分かるように、長田様のご推察通り私は線での造形がとにかく苦手です。デジタルでは細い綺麗な線を引き辛いというのも理由の一つにあるかもしれません。自分用のスキャナが無いので、鉛筆画を摂り込むと言ったことも出来ず、そうこうしているうちに厚塗りで全行程描いてしまうことに慣れてしまったのですよね。

 最近少しずつペンでのクロッキーやドローイングをしているのですけれど、それをもっと強化して行きたいですね…出来れば鉛筆で。

 

 最後にちらっとご報告ですが、一昨日辺り、イラストレーターとして登録させて頂いているある企業様より、「業務員を増員することになったから、なんらかの業務形態でうちに来てみないか」的なメールを頂きました。こういったお仕事がらみのお誘いは初めてのことです。実際に契約する前に、試験や面接があるそうなのですが、なんとかうまく運んでほしい所。とにかく嬉しい出来事でした、また一歩前進出来そうな具合になっております。

 

 では、いい加減冗長なのでここまで。また次回お目に掛かります。